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ドクターヘリの基地を直撃レポート
ドクターヘリの基地を直撃レポート
ドクターヘリとは、医師がヘリコプターで患者のもとへ向かうシステム。第一の目的は、重篤な患者が発生した場所に医師と看護師をいち早く派遣し、初期治療を開始することである。今回は、ドクターヘリの運航を委託されている朝日航洋株式会社の協力のもと、埼玉県にある埼玉医科大学総合医療センターに拠点を置く埼玉県ドクターヘリの基地へ取材をこころみる!
ドクターヘリの基地を直撃レポート!
写真左:整備士/坂口和男さん、
写真右:機長/染谷成夫さん
埼玉県のドクターヘリ導入は、全国で12番目となっており、川越市にある埼玉医科大学総合医療センターの敷地に隣接してドクターヘリの基地は設置されている。
ドクターヘリ要請の一日平均回数は約1件。今回、ヘリポートには機長の染谷成夫さん、整備士の坂口和男さんが待機しており、出動要請がいつ何時入るか分からない状況の中、取材を行なった。ドクターヘリの運航時間は午前8時30分より開始され、日没の30分前までとなっている。
埼玉医科大学総合医療センターに設置されているヘリの機種は『MD902』。全長12.25m、全高3.66m、最高時速200km/h、エンジン始動から離陸までは約3〜4分という早さ。
拠点となる埼玉医科大学総合医療センターを中心として飛行時間15分〜20分で県内のほとんどのエリアをカバーできる。坂戸市などの10km圏内には約3分、飯能市などの30km圏内には約10分、最も遠い70km圏内の秩父方面でも約20分で到達が可能。また、埼玉県では、夜間から早朝まで防災ヘリを利用した24時間体制のドクターヘリ運用を行っており、通報があると県防災航空センター(同県川島町)から離陸した防災ヘリが、埼玉医科大学国際医療センター(同県日高市)で医師らを乗せて現場に急行する。
ヘリの操縦について尋ねてみると、ドクターヘリにおいては、パイロットの目視で機外を確認しながら飛行する有視界飛行方式(VFR:Visual Flight Rules)が行わられており、コックピットには方位、距離を表示するマップモード機能も搭載されている。これとは別に航空図や市販の道路地図も携帯し、実際に役立つケースが多いとの事。また、普段は一切使う事が無いとのことだが、自動操縦機能もあるという。
病院に隣接したドクターヘリの基地
ヘリに搭載している主な医療機材は、患者監視用モニター、除細動器、超音波診断装置、人工呼吸器、吸引器、シリンジポンプ、バックボード、ストレッチャー、酸素ボンベ、救急バッグなどがある。これは、緊急処置室(ER)とほぼ同等レベルの医療機材に相当する。
スペシャリストたちの役目!
ここで、機長(操縦士)、整備士、運航管理担当者(CS:コミュニケーションスペシャリスト)の主な役割を尋ねてみた。
CSは、現場からの出動要請の窓口。消防、病院からの出動要請ホットラインを受けて、操縦士、整備士、医師、ナースなどへ出動を指示するとともに、ヘリが飛ぶ際のフライトプラン(飛行計画)や出発、到着時刻を航空局(国土交通省)へ通報する役割も担う。また離陸後に無線で着陸場所をヘリに連絡するなど、一刻も早く患者のもとへ行けるように地上からヘリの動きをサポートする。
ヘリに同乗し操縦士と医師、ナースのアシストを行うのが整備士。飛行前の地上ではヘリの点検を行う。ライセンスを持つ整備士が飛行前点検を行わなければヘリは飛び立つことが出来ない。飛行中は離着陸時の安全確認や見張りを行い、現場に到着した際には患者を乗せるストレッチャーの操作を行う。ちなみにこのストレッチャーは、ヘリに乗せられる仕様に改修されてあり高価なものであるとのこと。
機長(操縦士)は、運航管理室に設置されているホットラインに出動要請が入ると直ぐに出動し、ドクターとナースを現場へ安全にいち早く届けることが大きな役目となる。そのため操縦士は、天候の変化を常にチェックしている。
チームワークでつなぐ『命のバトン』
ドクターヘリの現場は操縦士、整備士、CS、医師、ナースたちの活躍だけで成り立っているのではない。救急隊員は現場での的確な判断と処置をし、そして現場へ向かうヘリの医師に患者の容態を正確に伝えなければならない。また、ヘリが安全に現場へ着陸できるよう消防隊は安全確保と砂ほこりを防ぐための散水を行う。着陸場所付近に民家がある場合は騒音に対する理解と協力の要請も行なう。
今回、ドクターヘリ基地の取材を終え、現場の方々が一番伝えたかった事は、ドクターヘリに関わる大勢の人たちが共に支え合いながら、尊い一つの命を救っているという事。
今この瞬間にもどこかで命のバトンの受け渡しが行われ、人命が救われている。
ヘリで内部に積込まれた医療器材
ヘリ後部からストレッチャーを取り出す整備士
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